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※機関誌「宣教」(2008年2月号)「主張」欄より


 カテキズム教案の用い方


 全国連合長老会日曜学校委員会編『子どもの信仰を育てるカテキズム教案』が発行されて二年が過ぎ、間もなく第五号が発行されます。最初の三年サイクルの最終の年を迎えます。連合長老会加盟教会だけではなく、多くの教会で用いられるようになり、毎号八〇〇冊が講読されている、という報告を聴きました。さらに多くの教会において用いられることを心から願っております。
『子どもの信仰を育てるカテキズム教案』が発行されるまでには、長い間の熱い祈りと準備が献げられました。最初に、全国連合長老会日曜学校委員会の牧師たちが、三年を越える長い年月をかけて、全四三の問答から成る「カテキズム」の作成とともに関連聖句を選択し付すという作業を成し遂げ、完成された「カテキズム」の解説を関川泰寛牧師(十貫坂教会牧師、東京神学大学教授)が書かれ、『子どもと共に学ぶ明解カテキズム』として出版されました。さらに、『子どもと共に学ぶ明解カテキズム』に基づいて『子どもの信仰を育てるカテキズム教案』が毎年二回発行されるようになったのです。
 『子どもの信仰を育てるカテキズム教案』は礼拝説教教案と分級教案の二部構成になっています。礼拝説教教案は連合長老会加盟教会の教職や改革長老教会協議会に参与している教会の教職が執筆しています。一年でカテキズム全四三の問答から説教が語られるようになっており、@釈義・黙想、A小学科のための説教例、B中高科のための説教例を一人の牧師が執筆していますので、釈義・黙想から説教への流れをつかむことができます。二つの分級教案(@幼小科、A中高科)は日曜学校委員会の委員たちが執筆しており、旧新約聖書物語、主の祈り、十戒、使徒信条を三年かけて学ぶようになっています。幼少科の分級教案は視聴覚教材が豊かに用いられ、中高科の分級教案は、教会の各集会などで聖書の学びや教会の歴史の学びにも用いることができます。
礼拝説教と分級教案とは必ずしも連動していませんが、それだけに、何が何でも一回の分級において伝えなければならないというほとんど脅迫的な思いから解放されて、子どもたちの状況に応じて自由に用いることができます。それがこの教案の特長です。礼拝説教の聖書の言葉と絵が記された美しいカードも発行されていますので、カードを見せながら聖書の言葉を語ることもできます。
画期的なことは、『子どもの信仰を育てるカテキズム教案』の夏期特別カリキュラムの主題が、全国連合長老会中学生高校生修養会の主題にもなることです。日曜学校によって養われた中学生高校生が、修養会においてさらに深く学ぶことができ、修養会に初めて参加した中学生高校生が、日曜学校において継続して神の言葉による養いを受けることができるのです。日曜学校委員会も中学生高校生修養会委員会も願っていることは唯一、教会の信仰を伝え、洗礼入会信仰告白に導きたいということです。既にその実が実っています。
最後に、聖書の言葉とカテキズムの言葉のどちらを語ればよいのですかとの質問をいただきました。
基本信条や宗教改革時の信仰告白に基づいて、教会は@正しく任命された説教者によって、聖なる唯一の公同の使徒的福音が純粋に語られ、かつ信仰者によって正しく聴かれ、A福音の説教に従って正しく聖礼典が執行され、Bそのために訓練が施されるところに存在する、と言われてきました。また、古来、教会は@教会の信仰の規範は何か。聖書。A聖書をどのように解釈し説教するのか、その基準は何か。信条・信仰告白。B教会の信仰を守り継承し宣べ伝えるために、どのような制度を採るのか。この三つを整えることによって教会成立の三要素としてきました。この教案は教会の信仰(信条・信仰告白・カテキズム、教理)に基づいて、聖書の言葉を説教するために作成された日曜学校教案誌です。信条・信仰告白・カテキズムは、私たちが聖書に正しく聴き、語るための筋道を明らかにしてくれます。ですから、教会の信仰(信条・信仰告白・カテキズム、教理)に従って聖書の言葉を語ればよいのです。その時、教会の信仰から外れないで神の言葉を取り次ぐことができるのです。


小田原十字町教会牧師 馬場康夫





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