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「主張」

※機関誌「宣教」(2008年3月号)「主張」欄より


 規約第二条を巡って


 今年六月に行われた第三二回全国会議において、下記の全国常置委員会報告を承認した。「信仰職制委員会が第二四回全国会議で報告した[『全国連合長老会規約』第二条改正案とその解説]を二〇〇七年度各地域連合長老会で検討することを促す」。この議題は規約第二条を巡って、今年の全国会議において、何らかの方向性を示したいという思いが込められている。
 規約第二条を巡る議論の焦点は、一八九〇年の信仰の告白と教団信仰告白を「併せて採択する」という文言にある。このような文言となった背景には、一八九〇年の信仰の告白を重んじる教会と、教団信仰告白を重んじる教会とが、共に連合長老会の中で存続し得るためにという実際的、妥協的な理由があった。しかし、規約第一条にあるように、連合長老会が教団にあって、改革教会の信仰と長老制度とを重んじる共同体として形成されていくためには、その立場を神学的により明晰にしていかなければならない。「併せて採択する」という、曖昧で、神学的でない文言が、新たな同志教会の加盟を妨げているのであるならば、それを改正する必要があるのではないか。そのような経過を経て、一九九九年第二四回全国会議に報告された信仰職制委員会の改正案は、次の通りである。但し、この改正案は信仰職制委員会報告としてなされたのであり、全国会議の議題として挙げられたものではない。
 「全国連合長老会は聖書を規準とし、使徒信条、ニカイア信条、アタナシウス信条、カルケドン信条に準拠し、改革派の諸信仰告白に言い表された信仰を継承し、一八九〇年に制定された日本基督教会の信仰の告白に基づいて、一九五四年に制定された日本基督教団信仰告白を告白する」。
 この改正案が報告されて以来、今日に至るまで、全国会議、議員懇談会、全国教師会で議論を重ねてきた。その議論を集約すると、次の三点に分類できる。
@一八九〇年日本基督教会信仰の告白に基づいて、一九五四年日本基督教団信仰告白を告白する。
A一八九〇年日本基督教会信仰の告白と日本基督教団信仰告白を告白する。
B一八九〇年日本基督教会信仰の告白を継承し、一九五四年日本基督教団信仰告白を告白する。

 昨年の全国教師会において、深谷松男長老より「教会規則」について講演を伺った。教会規則の実際とその運用について、広瀬河畔教会の教会規則試案を示された。その第三条は次の通りである。
 「この教会は、旧約三九巻及び新約二七巻より成る聖書を正典とし、使徒信条及びニカイア信条等の基本信条に言い表されたキリスト教の公同の信仰を基礎とし、福音主義改革教会の信仰に立ち、一八九〇年に制定された旧日本基督教会の信仰の告白を受け継いで日本基督教団信仰告白を告白し、日本基督教団に所属する」。
 改革派教会の信仰告白理解は、ルター派教会のように時代を越え、場所を越えても、複数の信仰告白を並列的に持ち、告白していくのではなく、時代を超え、場所を越えて、信仰告白の上に、また新たに自国の言葉で信仰を告白していく点に特徴がある。その意味で、@「一八九〇年信仰の告白に基づいて、教団信仰告白を告白する」と、B「一八九〇年信仰の告白を継承し、教団信仰告白を告白する」の文言は、改革派教会の信仰告白理解を神学的にも明晰に表していると言える。
 連合長老会が規約第一条で謳っているように、教団にあって改革教会の信仰と長老制度とを重んじる共同体として形成されていく具体的な道の一つは、各個教会の教会規則に教会の信仰を明記することである。牧師、長老が代わっても、教会の信仰は変わることはないことを、教会規則で表す。小金井西ノ台教会は、仙台広瀬河畔教会の教会規則試案を基にして、「一八九〇年信仰の告白を受け継いで、教団信仰告白を告白する」という文言で、教団の承認を得た。A「一八九〇年信仰の告白と教団信仰告白を併せて採択する」という文言では、教団は承認しないであろう。教団が我々の教会規則を承認することにより、我々は教団にあって胸を張って改革派の信仰と長老制度の教会形成を行うことができ、公同教会の歴史形成に仕えることになるのである。


山田教会牧師 井ノ川 勝





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