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「主張」

※機関誌「宣教」(2008年5月号)「主張」欄より


 中高生修養会の恵み


 今年も伊豆の天城山荘で、八月四日から六日まで全国連合長老会第二八回中学生修養会、第五二回高校生修養会が行われます。
 一生を決める出会いがあります。主イエスとの出会いです。その機会が、まさに真夏の三日間、三島駅での集合の時から始まる中高生修養会において恵みの時として与えられます。そして、三日後、別れを惜しむ三島駅で次の年への新たな希望へとつながるのです。
 今でこそ、その三日間の素晴らしさを、一〇日間位、夜通しで語ることが出来ますが、正直言うと数年前、初めてスタッフとして参加しようとした時には、全くその価値が分かっていませんでした。アシスタントを求めている→時間的に都合はつきそうである→よく分からないけれど、私でよければ行きましょうか?!→おばさんだけど、大丈夫かしら→まあ、いいか→行って来ます・・・。そんな感じでしたので、実際、三島駅に着く頃には、ちょっと気後れしていたような気がします。しかしそれは全くの杞憂でした。中学生、高校生の皆さんにとってのかけがえのない三日間は、私にとっても、かけがえのない三日間となり、ひとりの信仰者として、大きな恵みを与えられたのです。
 私が中高生修養会にあまり大きな期待をしていなかった理由のひとつは、「今時の中高生」という先入観だったと思います。その時も私は教会学校の教師をしていましたし、インターネットで大学進学のための進路相談をやっていて、「今時の中高生」について多少は知っている、と思っていたのです。でも、この修養会の三日間、み言葉を語る熱い教師たちのメッセージに真剣に聴き入り、信仰について、進路について、友情について真剣に語り合い、でもまた、遊ぶ時には本気で遊ぶ中高生の姿は、私に新鮮な驚きと共に感動を与えてくれました。
 「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ」。
 悩み、騒ぎ、笑い、泣き、喜び、苦悩する青春の日々にこそ、中高生修養会が効くのです。生徒と共に祈り、涙する諸先生方。また、ひたすら直球勝負の説教、講演。イエスさまにどれほど愛されているのか、洗礼を受けなさい、信仰告白をしなさい、と、切迫感をもって語る大人たちの姿に、生徒たちは日頃言い慣れているであろう「ダサい、ウザイ、たるい・・・」とぶつぶつ呟くことなく、時には照れくさそうに、時には真正面から向かってきます。
 「でも、それは、彼らがいわゆる超まじめな生徒たちで、クリスチャンホームに育ったいい子達だからだろう」と思っていました。しかし、そうではないことが、昨年自分の娘を無理やり参加させた事で実証されました。彼女は教会もサボりたくて仕方ない、ジャニーズとファッションにしか興味のない、中学一年生でした。でも修養会の終わる時には、名残惜しそうに「また来年ね」と、出会った友達と約束していたのですから。
 北から南から、西から東から、同じ教会の仲間たちと、また、一人で参加してくる中学生や高校生たちは、しっかりしているようで、まだまだ子どもっぽい、不安定な時期を過ごしています。中高生修養会の三日間で、同じように悩んでいる友と出会い、自分のために祈ってくれる教師と出会い、主イエスと出会うのです。誰かが言っていました。一年のうちの三日間を六年間皆勤したとしても、たった一八日間の中高生修養会。でも、この一八日間での賜物は、「青春の日々」を過ごす生徒たちにとって、これからの人生においての確かな試金石であり、信仰の要石に他ならないのです。
 さて、最後に是非お伝えしたいことがあります。昨年、半世紀にも渡って中高生修養会をしっかりと支えてくださった服部長老の後を継ぎ、会計を少しお手伝いしました。服部長老の長年のご奉仕とご苦労に本当に感謝いたします。中高生修養会は多くの教会の祈りと献金によって支えられています。中高生修養会のために、お祈りください。献金をお献げください。そして何より、中学生、高校生をお送りください。主イエスとの確かな出会いに、豊かな交わりに、どうぞ、中学生、高校生を託してくださいますように。


横浜指路教会長老 松森しおり





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