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「主張」

※機関誌「宣教」(2008年9月号)「主張」欄より


 地域連合長老会形成の課題


 私共は、地域長老会(中会)を形成する教会です。このことは教派教会として独立している長老教会であれば、自明のことです。論ずるまでもありません。しかし、日本基督教団にある私共は、絶えずこのことを自覚していなければなりません。
 現在、全国連合長老会には8つの地域連合長老会(東部・神奈川・東海・北陸・三重・西部・和歌山・九州)があります。この名称が示すとおり、現在の地域連合長老会は全国の全ての地域をカバーしているわけではありません。その意味では、今後この数は増えていくことも考えられるでしょう。この八つの地域連合長老会は、規模も置かれている状況も違います。しかし、その歩みの筋道において違いはありません。それぞれの地域連合長老会は、@信仰告白によって結び合わされた一つなる教会を具体的に形成し、A神様に託されたその地域の神様の御業のために、労苦を共に担っていく群れとして歩んでいるのです。
 この二つは分けることが出来ません。私共の信仰理解・教会理解においては、信仰告白によって結ばれていながら、労苦を共に担って歩まないなどということはあり得ません。また、労苦を共に担いつつ歩みながら、信仰告白によって結ばれていないということもあり得ないことでしょう。この二つを、自らに与えられた主からの課題として自覚的に歩んでいるのが私共の教会なのです。
 信仰告白によって一つに結ばれているということは、単に一つの共通の信仰告白文章を持っているということではありません。信仰が一つであるということであります。三位一体の同じ神様を礼拝し、同じ救いに与り、同じ希望に生き、同じ使命に生きているということであります。そしてこのことは、更に具体的に展開されていかなければなりません。
 この具体的な展開は、訓練の面で見るならば教師の訓練・長老の訓練・信徒の訓練という側面があるでしょう。しかしここで心しておかなければならないことは、訓練=研修会というわけではないということです。研修会が必要ではない、意味がないと言っているのではありません。研修は大切なことです。どんどんしていかなければなりません。しかし、地域連合長老会を具体的に形成するという課題は、研修によって達成されるものではありません。地域連合長老会は、単なる勉強会ではないのです。これが、最初に二つの歩みを分けることができないといった理由です。
 地域連合長老会を具体的に形成するという課題を前にして、教師・長老・信徒の訓練において大切なことは、研修と共に「実際に労苦を共に担って歩む」という経験なのです。勿論、各個の教会における「自主・独立」は大切なことです。しかし私共にとって「自主・独立」とは、神様の御業に仕える為のものであり、共に労苦を担う為のものなのでしょう。これを良く弁えなければ、「各個教会長老主義」というまことに奇妙な教会になっていってしまうのではないでしょうか。
 近年、牧師の交代における後任牧師の確保ということが、焦眉の課題となっています。牧師の人事は「御言葉」によって生きる私共の群れにとって、死活問題です。この課題は、地域連合長老会で責任を持って受けとめ、対処していかなければならないでしょう。また、補教師を主任として迎えた場合には、聖礼典の執行を地域連合長老会で責任を持たなければなりません。その為には、その責任を担える体制を整える必要があります。具体的には、主任でない教師を地域連合長老会に持つということです。これは大変なことですが、どうしても為していかなければならないでしょう。
 私は北陸連合長老会の議長として、皆様から二〇〇七年度に献げられました能登半島地震被災教会再建支援献金のことを思います。三千万円の目標に対して、四千万円を超える金額が献げられました。自分の教会の会堂建築を進めている中での献金もありました。本当にありがたいことです。「我が身のこと」として受け取ってくださったからでしょう。本当にありがたい。再建は未だ途上ですが、地域連合長老会を具体的に形成する喜びを味わっております。


富山鹿島町教会牧師 小堀 康彦





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