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「主張」

※機関誌「宣教」(2009年2月号)「主張」欄より


 日本基督教団の今後


 昨年10月に第36回日本基督教団総会が行われた。第35総会期は、常議員会における懇談会で未受洗者陪餐を行っていると公言した北村慈郎教師(紅葉坂教会)に対する「教師退任勧告」、そして常議員会決議による教師委員会への同教師の戒規提訴によって教団全体が大揺れに揺れた二年間であった。それを受けての第36回教団総会は、日本基督教団がキリストの体である教会であり続けることができるか否かを決定づける大事な総会であった。
 選挙、議決等の結果は、既に周知のことと思うが、三役の体制は山北議長の四選に代表されるように、これまでの体制が踏襲され、常議員会の構成においては、山北議長を支持し、未受洗者陪餐を認めないという立場の者が27名中14名となった。
 未受洗者陪餐問題をめぐっては、「退任勧告」の撤回、取り消しを求める三つの議案はいずれも否決されたが、議長が提案し常議員会が決議する形でなされた戒規の提訴が手続き的に無効であるとする議案は可決された。これらの議決を総合すると、「退任勧告」(未受洗者陪餐を直ちに止めるか、さもなければ教団の教師を退任することを勧告する)は総会の承認を得、従って教団は未受洗者陪餐を是としないことが確認されたが、常議員会決議による戒規の提訴はできないという判断がなされたということになる。この決議のみを見るならば、日本基督教団は教憲・教規に定められている教会としての形をかろうじて守ったと言うことができる。しかし未受洗者陪餐という教会の根幹に関わる逸脱行為が野放しになっている現実は放置されたままである。今期の課題は、北村教師については神奈川教区が、またその他にも同様のことを行なっていることが明らかな教師についてはそれぞれの属する教区が、戒規の提訴に踏み切れるかである。
 しかしこの選挙や議決の結果以上に、今回の教団総会ではっきりしたことがある。今総会は、未受洗者陪餐を認めない者たちと、それを推進し、あるいは事実上容認する者たちとにはっきりと二分された。その分布は常議員選挙の票数に如実に現れている。前者の側の最高得票数は196票、後者の側の最高得票数は166票である。退任勧告の撤回を求める議案の賛成者も最大で167票、戒規提訴無効を主張する議案の賛成者も一六七票だった。同じ票数で前者が否決、後者が可決となったのは、採決の時議場にいた人数に30ほど違いがあったからである。このように、今回の総会は、360人ほどの議員が、ほぼ195対165で、全く相反する二つの主張に二分されたのである。未受洗者陪餐をめぐるこの対立には、妥協や折衷はあり得ない。教会、信仰についての決定的に違う考え方が併存している、これが日本基督教団の現状である。この二極対立がはっきりとした総会であった。  もう一つの重要な事柄は、「合同のとらえなおし」問題に関して、特設委員会の設置を求める議案等が否決されたことである。沖縄キリスト教団との合同のとらえなおし、という図式からは生産的なものは生まれないという認識が確認されたと言える。
 さて「日本基督教団の今後」であるが、はっきりとした二極対立の現実の中で、我々は教団にあってどのように歩むかを考えなければならない。「教団が今後どうなるか」は「我々が今後どうするか」である。はっきりしていることは、聖餐という教会の根幹に関わる問題において全く相容れない主張が併存する全体教会などあり得ないということである。これは各個教会がしっかりしていればよいという問題ではない。キリストの体としての形をしっかりと持った全体教会を形成していくために、我々は今後重大な決断をしなければならないだろう。我々連合長老会が、「改革教会の信仰と長老制度を重んじる」群れとして歩んでいることの意味は大きい。何において一致し、協力しているのかをはっきりと打ち出している我々こそ、健全な全体教会形成の要となることができるはずである。  今後の戦いにおいて大事なことは、戦う相手を間違えないことである。キリストの体である公同教会を形成することこそが我々の目的である。この目的を見定め、目的合理的に歩む必要がある。


横浜指路教会 藤掛 順一





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