昨年秋に開催された第三六回教団総会での奉仕を終えて、ホテルのロビーに降りて来ると、加藤常昭師がソファーに座っておられた。そこで短い会話を交わす機会が与えられた。
教団が今後益々、山北議長の方針を支持するグループとそうでないグループとが二分化していく傾向が強くなってゆく中にあって、協議会運動の働きの重要性を認識し覚える時であった。
今迄協議会は十一回の全国協議会と十八回の全国牧師会を重ねてきた。一九八五年四月二九日に鎌倉雪ノ下教会において協議会運動は公に出発したが、二十余年経過した今日出発の精神を再確認し、充分理解されていない者達にも理解を深めて頂く必要性を覚えるのである。
今年六月二九日、三十日富士見町教会において第十九回全国牧師会が予定されている。主題は「日本基督教団における改革長老教会協議会の意義と使命」として発足時中心的に働いて下さったとろこの加藤常昭師と現在連合長老会の議長として責任を担って下さっている藤掛順一師を講師としてお願いする。十九回全国牧師会企画の意図は協議会が関連文書として表明してきたところの「基本線」「申し合わせ」「宣言」「声明」を学習し直して現在の私共の教会形成のために用いることにもある。
基本線 基本信条(殊にニカイア・コンスタンティノーポリス信条)が告白している信仰を規範とし、改革長老教会の伝統に立って日本基督教会が一八九〇年に制定した信仰の告白を失うべからざる信仰の遺産として継承し、日本基督教団の信仰告白を承認して教会を形成する。
第一回協議会申し合わせ 私どもは、教会の交わりと伝道の促進のために、次のことを申し合わせる。一九八二年以来、確認してきた基本線に立ち、信仰告白を規範とし、長老制度による教会の形成を志向し、その実現に努力する。
本協議会の基本的趣旨は以下の通りである。
一.ニカイア・コンスタンティノーポリス信条に代表される基本信条
二.宗教改革以来の広義の改革派教会の伝統を重んじ、長老制度による教会の形成を願う。
三.日本基督教会が一八九〇年に制定した信仰の告白を失うべからざる信仰の遺産として継承する。
四.日本基督教団の信仰告白を承認し、教団内にあって、まことの福音主義教会の形成を願う。
私どもは、この基本的趣旨に沿って、次の事柄に努める。
一.私どもは、各地に信仰告白の一致に基づく伝道協力組織を結成する。
二.私どもは、教職、長老、信徒の研修を行う。
三.私どもは、教職人事の紹介斡旋について協力する。
なお、今後の運営は従来通り代表者が当たる。また、協議会のために献金をささげる。
以上の方針に従って今迄協議会運動がなされてきたが、活動で評価できる事柄を紹介する。
(一)各地に伝道協力組織を結成することに励み、三重、和歌山、北陸、神奈川、九州で協議会運動から地域連合長老会へ発展することが出来た。(二)関川泰寛師を中心にニカイア信条の学びがなされ、教会研究所訳のニカイア信条を公にした。またスコットランドよりファーガソン、ストーラー教授を招くことが出来た。九月にはミュンヘンよりヤン・ロールス教授を招く予定である。(三)芳賀力師を中心に季刊「教会」の発刊。教団が聖餐理解を巡って混乱する中『聖餐 なぜ受洗者の陪餐か』『洗礼から聖餐へ』『まことの聖餐を求めて』を出版することが出来た。(四)地震による被災教会を応援。阪神淡路地震で湊川教会(須磨・月見山)。釧路沖地震で釧路教会。福岡沖地震で唐津教会。そして能登半島地震で輪島、魚津、七尾、羽咋教会と富来伝道所に連合長老会と協議会が協力して献金を募金してささげることが出来た。幸いなことにこの応援によって信頼関係が強められ、連合長老会加盟に至った例もあったことを報告させて頂く。(五)最後に教職人事の紹介斡旋の件を記しておきたい。牧師交代は教会にとって最大の課題であることは確かである。良き最適な後任者が与えられることを願って、連合長老会議長と協議会の議長とが情報交換をなし話し合って紹介させて頂いている例もある。
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