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※機関誌「宣教」(2009年8月号)「主張」欄より


 連合長老会の出版活動 ―その意義と課題


 連合長老会の出版活動は、主として出版委員会によって担われている。出版委員会は、連合長老会結成の趣旨に基づいて、独自の出版活動を企画立案すると共に、実際に出版事業を行う。これまで教会の形成と伝道に不可欠の書籍の出版を手がけてきた。『長老教会の手引き』など、連合長老会内外の諸教会で広く用いられ、版を重ねてきたものも少なくない。この数年は、日曜学校委員会の編集する『カテキズム教案』の出版や連合長老会形成に資する書籍の出版活動を行っている。
 『カテキズム教案』は、日曜学校委員会の編集によって年に二回出版され、『明解カテキズム』、『続・明解カテキズム』(いずれもキリスト新聞社)の証拠聖句に基づく釈義、小学科と中高科の説教及び分級教案を収録し、教会学校(日曜学校)の教師のための説教の範例と分級の教材を提供している。このような出版活動は、たとえ手間がかかっても、連合長老会を担う次世代の信仰者の養育を目的として継続されなければならない。わたしたちが認識すべきは、これらは出版委員会の活動というより、連合長老会全体の営みとして、諸教会の支援と祈りの下にはじめてなし得る事業であるという点である。出版活動を今後盛んにするためには、この点の理解を共有することの大切さを痛感している。『カテキズム教案』は、現在八百部前後が販売されているが、連合長老会加盟の諸教会や牧師、長老の一層のご支援とご協力によって、販売数の促進及び内容の充実をはかりたいと願っている。
 現在出版委員会が進めている企画に、「スコットランド信仰告白」「ドルト信仰基準」「フランス信仰告白」「ベルギー信仰告白」「『日本基督教団信仰告白』と一八九〇年の日本基督教会『信仰の告白』」をそれぞれ単行本で紹介し、解説する「信仰告白叢書」の出版がある。比較的若い教職にすでに執筆を依頼している。おおかた原稿が完成し、委員会で校閲を始めているものもある。予定通りすべてを完成させて、信仰告白によってたつ教会の土台を内実あるものとしたいものである。このような出版物は、一般のキリスト教出版社ではなかなか出版できないものだが、連合長老会にとっては無くてはならないものなので、出版委員会が手掛ける最優先の出版物ということになろう。
 連合長老会の出版活動の課題をいくつか述べよう。第一に、企画した書物が執筆され、実際に出版される書物の数を増やすことである。良書は、必ずや読者を得て、伝道と教会の形成のための共有財産となる。この財産を増やすことこそ、連合長老会あげて取り組むべき課題である。
 第二に、連合長老会の企画する出版物は、連合長老会の内側にとどまらず、広く日本基督教団、日本のキリスト教界に読者を持つ。そこで、出版委員会はキリスト教出版社と連携して、出版活動を続ける用意が常にある。日曜学校委員会編の『明解カテキズム』は、そのような例である。キリスト新聞社から発行することで、キリスト教書店の店頭に並び、多くの読者の目にとまったと思われる。書店によってはベストセラーの一つとなったほどである。
 第三に、すでに出版された書籍の改訂や在庫のあるものの販売と利用の促進である。すでに『長老教会の手引き』は、改訂のための委員会が設置され作業が進んでいる。『日曜学校教師の手引き』なども、時代に即したものに改訂されるか、新たな出版が望まれる。出版物には時代に応じ、教会の現状に応じて改訂されるべきものと、変える必要が必ずしもない歴史的な遺産となっているものがある。これらを適確に見極めて出版活動を行うことが求められている。
 第四に、販売の促進のために、インターネットを活用する必要がある。現在連合長老会のホームページがあるが、これにリンクするかたちで、出版委員会の販売書籍を画像で紹介し、ネットから書籍を購入できるように早く工夫することが必要である。
 第五に、新しい出版の企画案を諸教会から積極的に寄せていただき、それに答える体制を作ることである。さらにすぐれた執筆者を掘り起こすと共に、連合長老会内で執筆者を育てることも出版委員会の重要な役割となるであろう。


出版委員会 関川 泰寛





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