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※機関誌「宣教」(2010年2月号)「主張」欄より


 三重連合長老会の課題


 三重連合長老会は一九八八年に誕生した。今年で二三年目になる。誕生の引き金となったのは一九八五年、鎌倉雪ノ下教会で開催された第一回改革長老教会協議会全国協議会であった。勿論、下地はそれより遡り、中部教区では北陸、東海に教会問題研究会があり、長老研修会や教師神学研究会を積み重ねてきた。中部プレスビテリ結成準備会が結成され、規約を作成し、一九八〇年までに結成を目指していた。しかし、機はまだ熟していなかった。
 三重連合長老会結成当時の教会と牧師は、次の通りである。山田教会(冨山光一、井ノ川勝)、松阪教会(鳥羽和雄、鳥羽徳子)、津示路教会(松井睦)、鳥羽教会(堀江明夫)。結成当時からいる牧師は井ノ川勝だけになった。しかし、牧師は代わっても、三重連合長老会の歩みは今日に至るまで継続されてきた。他の連合長老会が加盟数を増やしてきたのに対し、三重連合長老会は加盟数四教会のままである。
 結成当時と今日では、三重連合長老会がある三重地区の状況も大きく変化した。三重地区は中部教区の中でも、教団紛争の影響が尾を引いた地区であった。筆者が今から二六年前に赴任した時、教師会は教会派と社会派の二つに分かれてそれぞれ行っていた。地区総会はいつも激しい議論が交わされ、各地区集会も実りのない内容であった。そのような状況の中で、三重連合長老会が結成され、巡回長老会、信徒修養会、神学研究会、教会学校教師研修会等、実りある研修会が積み重ねられていった。
 このような実績が地区の他の教会でも認められ、無牧の教会を三重連合長老会加盟教師が積極的に応援し、東京神学大学の卒業生を増やしていった。三重連合長老会神学研究会は、加盟教師だけでなく、地区の他の教師にも開かれた。丁度その頃、『熊野義孝全集』が刊行中であり、その編集者であった鳥羽和雄・徳子両牧師が手引きをして下さり、若い牧師の神学の研鑽、教会形成・牧会の指導の場となった。
 今日、三重地区は一つにまとまり、地区の集会も実りある内容の集会が行われるようになった。そこでも三重連合長老会の教会、教師が積極的に出席し、指導的な役割を担っている。しかし、地区の集会では教会の具体的な問題を細部に亙って行うことは難しい。書記長老・会計長老の役割、長老選挙について、礼拝司式の祈り、試問会のあり方等・・。このような主題の研修は三重連合長老会だからこそ出来るのであり、地区の他の教会の参加を呼びかけることにより、加盟数も増えることを祈り願っている。
 このように中部教区においては、連合長老会加盟教会が教区、地区と積極的に関わりつつ、さらに地域連合長老会の形成を行わなければならない。連合長老会形成が地区にあって、良き模範となることが求められる。それ故、二倍、三倍の体力が必要となる。
 三重連合長老会加盟四教会の内、鳥羽教会が全国連合長老会伝道局資金の援助を受けている。資金援助だけでなく、毎年、全国連合長老会の常置委員の牧師が鳥羽教会を訪ねて下さり、説教の奉仕をして下さっている。地方の小さな教会がこのようにして、全国連合長老会の祈りに覚えられていることを感謝している。
 地方の伝道は年々厳しさを増している。教勢の低下、財政力の低下が益々加速している。しかし、このような状況だからこそ、地域連合長老会形成の真価が問われていると言える。どんなに教勢が低下しても、主からこの地に伝道と教会形成のために召された召命共同体として、牧師も長老も信徒も一つとなって固く立つことが出来るか否かが問われている。勿論、地域連合長老会の力だけでは立ち続けていくことは困難である。全国連合長老会加盟教会が、地方にある地域連合長老会のために祈り、支援して下さることが不可欠である。
特に教師の人事は、伝道者不足の今日にあって、地方教会では死活問題である。全国連合長老会が地方教会から元気のある牧師を都会の教会へ引き抜くのではなく、逆に、都会の教会から地方の教会へ元気のある牧師を派遣していただきたいと切に祈り願っている。


山田教会 井ノ川 勝





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