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※機関誌「宣教」(2011年2月号)「主張」欄より


 「全国連合長老会規約の解説」改正案を巡って


 二〇〇八年、浜寺教会で開催さ れた第三三回全国連合長老会会議 において、「全国連合長老会規約」 第二条が次のように改正された。
 旧「全国連合長老会は聖書を基 準とし、基本信条ならびに福音的 諸信条に示された福音理解を継承 しつつ、一八九〇年に制定された 日本基督教会信仰の告白と一九五 四年に制定された日本基督教団信 仰告白を併せて採択する」。
 新「全国連合長老会は聖書を基 準とし、使徒信条、ニカイア・コン スタンティノポリス信条、アタナシ ウス信条、カルケドン信条に準拠し、 改革教会の諸信仰告白に言い表さ れた信仰を継承し、一八九〇年に 制定された日本基督教会信仰の告 白に基づいて、一九五四年に制定 された日本基督教団信仰告白を告 白する」。
 これを受けて、全国連合長老会 常置委員会から信仰職制委員会に、 「全国連合長老会規約の解説」を 改正するよう諮問された。現行の 「全国連合長老会規約の解説」は、 一九七六年一〇月開催の全国連合 長老会常置委員会において承認さ れたものである。一九七六年は教団 紛争の只中であり、そのような中で 作成された「規約の解説」であった ので、連合長老会は教団にあって、 教団に距離を置きながら教会形成 を行う姿勢が文面から読み取れる。 その後、教団の状況は大きく変化 した。勿論、危機的な状況に変わ りはないが、現行の「規約の解説」 が第二条のみならず、他の条項にも 現在の教団の状況、連合長老会の 状況にそぐわない文面もあるため、 「規約の解説」の全面改正を行うこ ととなった。
 「規約の解説改正案」は、二〇 〇八年度の信仰職制委員会におい て作成され、全国常置委員会に提 出されたが、尚検討の余地ありとの 意見が出されたので、二〇〇九年 度の信仰職制委員会で再度検討し、 作成したものを全国常置委員会に 提出した。「規約の解説改正案」を 巡っては、二〇一〇年、蕃山町教 会で開催された第三五回全国会議 の前日の議員懇談会において、関 川泰寛信仰職制委員から説明がな され、協議された。さらに、第三五 回全国会議において、信仰職制委 員会報告で、「規約の解説改正案」 が報告された。これらを踏まえて、 各地域連合長老会において、「規約 の解説改正案」を検討し、意見・ 要望を信仰職制委員会に寄せてい ただきたい。それを受けて、信仰職 制委員会が三度、「規約の解説改 正案」を練り直したものを、二〇 一〇年度中に全国常置委員会に提 出する予定である。
 「教団にあって、なぜ連合長老 会なのか」。「教団にあって、なぜ改 革教会の信仰と長老制度を重んず る地域長老会形成を行うのか」。こ れは私たちに常に問われていること である。私たちはその問いかけに対 し、何よりも地域長老会形成によっ て具現化していくことが求められて いる。「規約」第二条の改正を通し て改めて問われたことは、「連合長 老会のアイデンティティーとは何か」 であった。「連合長老会のアイデン ティティー」は、「全国規約」で表 されているのであって、他にはない。 その中心にあるのが「規約」第二 条である。「規約」第二条改正を巡っ ての論点は、「一八九〇年の信仰の 告白」と「教団信仰告白」との二 つの信仰告白の関係・位置づけで あった。新しい「規約」第二条の 「一八九〇年の信仰の告白に基づい て、教団信仰告白を告白する」は、 「一八九〇年の信仰の告白」をお蔵 に入れることを意味していない。 「一八九〇年信仰の告白が持つ正 統教理や三位一体の神への讃美と 特質、さらに教会の制度や信仰に 対する拘束性を前提とした上で、 教団信仰告白が告白されることを 意味する。」(「規約の解説改正案」)。 二つの信仰告白の歴史的な連続性 を、「規約の解説」で明確にするこ とにより、教団にあって「連合長老 会のアイデンティティー」が更に明 確にされていく。そのためにも、「規 約の解説」改正が重要である。


山田教会 井ノ川勝





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