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「主張」

※機関誌「宣教」(2012年1月号)「主張」欄より


 全国連合長老会の課題


 「全国連合長老会は日本基督教 団内にある、改革教会の信仰と長 老制度とを重んずる諸教会によっ て形成された各地域連合長老会の 共同体である」(「全国連合長老 会規約」第一条)。この規約を具 体化現実化していくことが全国連 合長老会の課題である。
 「全国連合長老会における、洗 礼、聖餐に関する基本的見解」 (二○○○年一部改訂)にあるよ うに、長老制度とは、「教会を真 に教会たらしめる権威」が「全国 長老会議、地域長老会議(プレス ビテリ)、各個教会長老会議に委 ねられている」という制度である。
 各個教会の長老会は、地域長老 会議(プレスビテリ)としての働 きを目指す地域連合長老会の一員 としてその形成に努めている。そ してそれぞれの地域連合長老会も、 長老の研修訓練、牧師の共同研鑽、 記録審査などによって、また牧師 の人事を全国連合長老会との連携 のもとに行うことによって各個教 会を支え、指導している。それぞ れの地域連合長老会でそのような 歩みが少しずつ前進している。
 それでは全国連合長老会は、規 約第一条の現実化のために何をし ているのだろうか。前述した「洗 礼、聖餐に関する基本的見解」の 発表はその一つである。「改革教 会の信仰と長老制度とを重んずる」 の内容をより明確に示したのであ る。二○○八年の第三三回全国連 合長老会会議において、規約第二 条の改訂が決議されたこともそれ に当る。その主たる目的は、第一 条の「日本基督教団内にある」と いう文言を具体化、現実化するこ とにある。我々が日本基督教団に 連なる諸教会の群れでありつつ、 改革教会の信仰と長老制度を重ん じて教会形成に励む筋道を、「日 本基督教会信仰の告白に基づいて、 …日本基督教団信仰告白を告白す る」という文言への改訂によって 明確に示したのである。
 さらに、日本基督教会「信仰の 告白」を我々が教会において告白 し、教育のために用いるための 「使用版」を作成した。従来の我々 の出版物の中に間違った形で印刷 されているものがあるので、標準 とすべきものを明らかにしたので ある。そして昨年の会議では 「『主の日の礼拝』の指針」が承認 された。「『全国連合長老会規約』 の解説」も昨年新たに作成された。 そして「主の日の礼拝」式文の草 案も検討中である。これらの文書 によって、全国連合長老会におけ る教会形成の方向性がより具体的、 現実的に示されつつある。
 他方、「伝道局資金」を活用し て、各個教会さらには地域連合長 老会を支えていく体制も不十分な がら整えられてきている。伝道の 伸び悩みと教会の高齢化の中で、 特に地方の教会と地域連合長老会 は厳しい状況にある。東日本大震 災による被災地域のことも心に留 めつつ、全国連合長老会としてそ れらの教会、地域に積極的にテコ 入れしていきたいのである。
 これらの活動を通して、全国連 合長老会は今、新しいアイデンティ ティーを形成しつつあると言える。 しかしその新しさは規約第一条の 具体化、現実化によってもたらさ れているものである。我々が掲げ ている理念は全く変化していない。 しかし「改革教会の信仰と長老制 度とを重んずる」ということの内 容においても、「日本基督教団内 にある」という文言の理解におい ても、ある新しさが生じていること は確かであって、過去の在り方を 絶対視している人々には「変質」 と否定的に捉えられてしまうこと もあるだろう。しかし、生きている とは変化していくことである。規 約第一条に掲げられている理念を 現在の状況の中でより具体化、現 実化しようとしている現在の「新 しさ」は、連合長老会が生きてい ることの証しであり、必然的変化 であると考える。全国連合長老会 の新しいアイデンティティーを確立 し、内外に浸透させていくことこ そ、現在の我々の課題である。


横浜指路教会 藤掛順一


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