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「主張」

※機関誌「宣教」(2012年5月号)「主張」欄より


 青少年伝道の課題


1.伝道に王道なし
 未だかつて伝道しやすい時代は なかった。伝道に王道なし。教会 はひたすらこの世のさまざまな悪 条件と格闘する中で伝道してきた。 その結果は教会の消滅ではなく、 むしろ反対にその命を保ってきた。 「自分の命を救いたいと思う者は、 それを失うが、わたしのため、ま た福音のために命を失う者は、そ れを救う」(マコ八・35)。今日日 本伝道は厳しい冬の時代を迎えて いる。すべてが減少傾向にある。 しかし重要なことは、踏まれても 踏まれても芽を出す福音の種を教 会はもっていることである。この 種を蒔くなら必ず芽を出し成長し、 三十倍、五十倍、百倍の実りをも たらす。これが教会の希望である。 「雨も雪も、ひとたび天から降れ ば/むなしく天に戻ることはない。 ・・種まく人には種を与え/食べ る人には糧を与える。そのように、 わたしの口から出るわたしの言葉 も/むなしくは、わたしのもとに 戻らない。それはわたしの望むこ とを成し遂げ/わたしが与えた使 命を果たす」(イザ五五・10以下)。

2.福音への献身
 教会の福音伝道には多くの収穫 が約束されている。牧師、伝道師、 長老はこの点を特に声を大にして、 若い魂に訴えていかねばならない。 青少年たちの成長は早い。あっと いう間に五年、十年が過ぎて社会 の一翼を担うものとなっていく。 教会学校に集う子どもたちの中に は将来この世の各分野で活躍する 人物がいるだろう。
 これに対して神の救済事業に献 身しようとする者は少ない。具体 的なイメージが提示されていない のである。しかし神は福音に仕え る者に多くの実りを約束している。 「収穫は多いが、働き手が少ない。 だから、収穫のために働き手を送っ てくださるように、収穫の主に願 いなさい」(マタ九・37−38)と 主は言われた。献身は教会の絶え ざる祈りでなければならない。

3.青少年の魂を愛する
 青少年には将来がある。金の卵 である。そのような若者に声をか け目をかけていきたい。次のよう な話が伝えられている。ひとりの 説教者が熱心に説教していた。ほ とんど空と思われる会堂の柱の陰 に隠れて目にもとまらない少年が 一人座っていて、熱心にその話を 聞いていた。説教者は聴衆の少な さを気に留めず、失望もしないで、 満堂の人に語るような熱意をもっ て説教を終えて祈った。彼はそこ にいた少年と更に語ったが、この少 年こそ後にアメリカ会衆派教会の 偉大な説教者となったヘンリー・ウォー ド・ビーチャーであったという。
 主イエスは言われた。「子供た ちをわたしのところに来させなさ い。妨げてはならない」(マコ一 〇・14)。子どもは無罪性の象徴 ではなく、善き業や功績のない者 の代表である。神の愛をただ受け るしかないのである。主は「子供 たちを抱き上げ、手を置いて祝福 された」(16節)。主の愛を受けた 魂は必ず成長する。わたしたちは 主のこの御業の継承者である。

4.生きた具体的な実例の提示
 青少年伝道の課題のひとつは、 子どもたちに教理の言葉を教え込 むのでなく、教師自身がその教理 を生きることである。聖書と教会 史にその実例を見出し、子どもた ちに実際に社会で生きた信仰者の 存在を示すことである。模範では なく生きた実例である。キリスト 者は完璧ではなく破れ多い人間で ある。しかし神の赦しと恵みを受 けて歩む人生はどんなに祝福に満 ちたものであるか。聖書は神と共 に歩む人生を例示している。
 連合長老会は正しい教理を説く 大切さを語って来た。それは正し い。ただそれを教条主義や机上の 空論に陥らせないためには、聖書 を更に学び、教会の伝道の歴史に 精通し、生きたキリスト者の存在 に関心を払う必要がある。


日本橋教会 宍戸 基男





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