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「主張」

※機関誌「宣教」(2012年9月号)「主張」欄より


 日本基督教団と連合長老会


 去る六月一一日(月)日本キリ スト教会柏木教会において、全国 連合長老会・改革長老教会協議会 と日本キリスト教会との渉外委員 会交流会が行われた。この会は毎 年一度行われ、テーマを掲げて双 方の発題によって学び、交流と情 報交換を行っている。今年のテー マは「離脱問題」だった。
 「離脱」と聞いて何のことかすぐ には分からない読者も多くなってい ると思う。六一年前の一九五一年、 前年の第六回教団総会において、 「会派」(教師を立てるなどの教会 的権能を行使する、旧教派ごとの 教会群)の公認要求が否定された ことを契機に、旧日本基督教会系 の三九教会三伝道所が教団を離脱 して現在の「日本キリスト教会」 (いわゆる「新日基」)を設立した のである。既に一九四六年には、 現在の「日本キリスト改革派教会」 が離脱、設立されていたので、旧 日本基督教会系の諸教会はこの五 一年以来、「改革派」「新日基」 「教団残留組」の三つに分かれて今 日に至っている。「離脱問題」とは、 この五一年の日本キリスト教会の 離脱のことを意味している。
 この時離脱せずに教団に残留し た旧日本基督教会系の諸教会の中 から、今日の連合長老会が誕生し た。従って日本キリスト教会の諸 教会と連合長老会の諸教会は、同 じ伝統を受け継ぐ、同根・同質の 教会であって、その違いは、教団 を離脱したか残留したか、にあるの である。
 教団を離脱し、独自の全体教会 (その憲法の表現においては「一団 の教会」)を形成した日本キリスト 教会は、信仰告白、憲法規則を整 備し、式文を作成し、自前の神学 校を開設・維持し、旧日本基督教 会時代の、韓国・朝鮮の教会に対 する神社参拝強要についての罪の 告白と謝罪を表明し、WARC(世 界改革教会連盟)の一員として歩 んでおり、現在は九三教会四四伝 道所を擁するまでに成長している。 これだけの教会数でこれら全てのこ とを担うのは大変な苦労だと思うが、 「全体教会」を形成するとはそうい うことである。
 我々連合長老会は、離脱をせず に日本基督教団に留まった教会の 群れである。残留した理由やその 時の意識は教会によって違うだろう。 例えば私が仕えている横浜指路教 会は、このことをめぐって教会が真っ 二つに分裂するという痛みを味わっ たが、中には「残留する」という 決断をしたという意識なしに今日に 至っている教会もあるだろう。その 時の意識はどうであれ、我々の教 会は「新日基の離脱」以後六一年 の時を、日本キリスト教会にではな く日本基督教団に連なる教会とし て歩んできたのである。それは我々 の前の世代の方々が、日本基督教 団の教会として歩むことを、たとえ 消極的にではあれ選び取り、その 事実の中を生きてきたことを意味し ている。我々は今、先輩方のその 歩みを重んじ、そこに意義を認め、 それを継承しつつ歩んでいるのであ る。
 それゆえに我々連合長老会は、 日本基督教団が自らの連なる全体 教会であることをしっかりとわきま え、教団を「聖なる公同の教会」 に連なる「一団の教会」として形 成するために祈り仕える義務がある。 それこそが、離脱せず教団に残留 して歩んできた前の世代の方々の 歩みに意義を認め、敬意をもって それを受け継ぐ道であるし、離脱し て「一団の教会」を形成している 日本キリスト教会の方々に対する 誠実な対応でもある。
 根本的な信仰の不一致をかかえ ている教団の将来はもとより不透 明である。それゆえにこそ我々は、 改革・長老教会の伝統をしっかり と受け継ぎ、それに基づく伝道と 教会形成に励み、同志の諸教会を 糾合して教会形成の実をあげてい かなければならない。そのことを通 して、日本基督教団の今後の教会 形成に道を示していくことが、教 団に残留している我々連合長老会 の務めである。


横浜指路教会 藤掛 順一





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