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「主張」

※機関誌「宣教」(2013年3月号)「主張」欄より


 東日本大震災から二年


 今年もまた三月一一日を迎えま す。被災地にあって未だに復興な らずその途上にある諸教会とその 関係者の方々の上に、主にある慰 めと平安を祈ります。
 震災以降、私共が関係した二つ の集会での一端を紹介してみたい と思います。その一つは日本基督 教団改革長老教会協議会主催の第 一三回全国協議会ともう一つは第 三八回教団総会です。
 全国協議会は準備の段階で、特 に大震災で多くの人々が希望を失っ ており、本当の希望を持つことが 出来るためには、主の教会が本当 の希望を宣べ伝えることが重要な のではないだろうかとの認識のも とで「希望を宣べ伝える主の教会」 という主題が設定されたのです。 十貫坂教会関川泰寛牧師が良き主 題講演と助言をして下さいました。
 真の希望を知らされ、与えられ、 聖霊によって支えられている主の 教会は、大震災によって不安の中 に置かれている人々に希望を宣べ 伝える使命がある。その希望とは、 人間の内側から生じるものではな く、聖書が語る福音の希望である。 父なる神が与えて下さる、主イエ ス・キリストの十字架と復活の出 来事によって明らかにされた希望 である。それは目に見えるものに 対する希望ではない。三位一体の 神に対する信仰が生きている教会 に与えられている永遠の救いの希 望である。ニカイア信条そのもの が希望の告白であって、主の教会 を建てるという志は、この希望を はっきり宣べ伝えるところに結実 すると明確に語って下さった。
 また、開会礼拝では会堂が崩壊 し、更地にすることを余儀なくさ れた福島教会に赴任して下さった 似田兼司牧師が御奉仕下さった。
 第三八回教団総会は「伝道する 教団の建設」という主題が掲げら れました。開会礼拝が守られ、東 北教区議長、仙台東六番丁教会高 橋和人牧師が説教の御奉仕をして 下さった。エゼキエル書三七章一 〜一〇節、ヘブライ人への手紙五 章七〜一〇節をテキストに「涙か ら慰めへの復興」と題されて語ら れた。
 高橋牧師とは教会形成の方向を 一つにするところの仲間でもあり ますが、教団、教区の中にあって 様々な問題をも覚えておられる先 生です。高橋牧師は震災の情景は、 私共人間の営みの一つの姿であり、 私共は、死と滅びの力の中に世界 全体の本質を見る。悲しみの残骸 の中で、神はエゼキエルに「これ らの骨は生き返ることが出来るか」 と問われる。エゼキエルは答えが 無く、立ち尽くすしかなかった。 しかし、そこから語り始めること を命じられる。
 震災後、何度も、立ち尽くしな がら語らなければならない状況に 置かれた。しかし、そこに霊が風 のように吹き込んで来る。
 主イエスは、涙と祈りの中で従 順を学ばれた。激しい涙と叫びが あるところに主イエスが大祭司と して立ち、執り成して下さる。主 の執り成しを受けている人は、涙 の中にこそ主が近いと知ることが 出来る。復興には人の力が必要で あるが、霊による復興、涙から慰 めへの復興は主の執り成しによっ て起こる。聖書を御言葉として聞 き、語り、祈ること、それが、来 たるべき主を待つ教会だけが出来 る、復興を下から支える務めであ ると語って下さり、小生はアーメ ンでした。
 今回の総会では教団と東京神学 大学との関係回復議案が可決され ました。小生にとって三月一一日 は二重の意味を持ち、一つは東日 本大震災、もう一つは一九七〇年 の機動隊導入による全共闘のバリ 封鎖解除の日です。以来東京神学 大学関係の非難決議がなされ、教 団と神学校との関係は正常化され ていなかったのが、これでようやく 正常化されようとしているのです。
 東日本大震災のこれからの復興 再建の在り方が何よりも正しい福 音理解のもとでなされていくもの であって欲しいと祈るものです。


自由が丘教会 阿部 祐治


「主張」




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