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「主張」

※機関誌「宣教」(2014年1月号)「主張」欄より


 連合長老会と東京神学大学


 東京神学大学は、日本基督教団 立の唯一の神学校です。それが 「教団立」であることの意味は、日 本基督教団が設置主体として経営 の責任を負っている、ということで はありません。そうではなくて、日 本基督教団の成立(一九四一年) において合同した諸教派が持ってい た神学校のほとんどが合流して東 京神学大学が生まれた、という歴 史的経緯を語っているのです。つま り東京神学大学は、日本基督教団 を構成している旧教派の諸神学校 による合同(ユニオン)神学校で す。英語名がTokyoUnionTheologicalSeminary であることがそれを示しているのです。
 東京神学大学に流れ込んでいる 諸神学校の中でも重要な位置を持っ ているのが、最大教派だった旧日 本基督教会の神学校です。明治学 院神学部と、植村正久が興した東 京神学社、それらが合同して出来 た日本神学校は、東京神学大学の 主要なルーツです。私たち連合長 老会の信仰的ルーツもそこにあるの です。
 とは言え、東京神学大学は特定 の教派的伝統に立つ「教派神学校」 ではなくて、合同教会である日本 基督教団の神学校です。寄付行為 の前文には「合同教会としての教 団の世界教会的理想に従い、より 広く日本の諸教会、アジアの諸教 会の教職養成に貢献し、かくして 日本の宣教と世界教会の宣教とに 奉仕しようとするものである」とあ ります。つまり東京神学大学は、 日本基督教団の教職養成を担いつ つ、決して教団の「御用神学校」 ではなくて、より広く日本と世界の 宣教を担う教職を生み出そうとし ているのです。
 私たちは東京神学大学のこのよ うなあり方に信頼しつつ教師の養 成を託しています。しかし右のよう な事情の中で、連合長老会の教理 的、教会論的伝統を受け継ぐ教師 を育てるためには、東神大における 学びと並んで、各教会における、 そして地域連合長老会における訓 練が不可欠です。教職養成におい て教会と神学校は車の両輪である とよく言われますが、私たちはその ことをより深く自覚して、東京神 学大学と連携しつつ、各教会と地 域連合長老会において、改革・長 老教会の伝統をしっかり受け継ぐ 教師を育てていかなければなりませ ん。
 二○一二年秋の第三八回日本基 督教団総会において、「東京神学 大学との関係を回復する件」が可 決されました。この決議の背後には 長い歴史があります。「学園紛争」 の時代、東神大も一部の学生たち によって全館バリケード封鎖され、 教育活動がストップしました。教 授会は最終的に機動隊を導入して 封鎖を解除し、教育を再開しまし た(一九七○年)。そのことに対し て、第一八回教団総会(一九七四 年)でいわゆる「東神大非難決議」 がなされたのです。この一方的断罪 に対抗して東神大は日本基督教団 との公式の関係を断ってきました。 教団がキリストの福音の伝道を疎 かにし、教会を社会活動の拠点と しようとする力に牛耳られていた時 にも、東神大は「日本基督教団信 仰告白」と「教憲・教規」に基づ いて伝道と教会形成に励む教師を 生み出し続けてきたのです。四十 年来のこの問題を乗り越えて、教 団と東神大との関係を新たに構築 していこうという決議がようやくな されました。今後は、この決議を 実質化し、日本基督教団と「教団 立」東京神学大学との積極的関係 を構築していくことが両者の課題で す。
 この決議を見届けて、紛争を直 接経験した近藤勝彦学長が退任し、 新たな学長として、連合長老会の 出身である芳賀力教授が就任した ことは、歴史の主の深い摂理であ ると思います。連合長老会は今後、 東京神学大学を自らの教職養成機 関としてますます支えると共に、日 本基督教団における教会形成と教 職養成に対する使命を自覚する群 れでありたいと思います。


横浜指路教会 藤掛 順一


「主張」




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