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「主張」

※機関誌「宣教」(2014年5月号)「主張」欄より


 新たに長老として選ばれた人のために


 教会総会において長老として初 めて選出された時、誰もが「私の ような者がなぜ?」、「務まるかし ら?」、「どうしよう?」といった 戸惑いを覚えることでしょう。大 げさではなく、この戸惑いは受胎 告知をされた時のマリアの戸惑い と同質のものだと思います。この 神様の選びに相応しいところなど、 私共には全くないからです。でも、 神様は選ばれました。全てをご存 知であり、全てを御支配しておら れる神様が選ばれたのです。この ことを、畏れをもってしっかり受 け止めましょう。この神様の選び と召命以外に、長老が立つところ は無いのですから。
 そして、長老が選ばれたのなら ば、教会員はその人のために祈ら なければなりません。教会員は選 挙で投票して、これで責任を果た し終えたということではないから です。長老を選ぶための投票行為 は、聖霊なる神様の御支配の中で 為されるものであり、その結果に 神様の御心が現れたことを私共は 信じます。教会はこの神様の選び を信じて任職式を行い、長老を立 てるのです。この神様の御業に呼 応して、教会員はこの長老のため に祈るのです。聖霊を注がれ、神 様の御業の道具としていよいよ用 いられるように、必要の全てを備 えられるようにと祈るのです。で すから、長老として立てられると いうことは、何よりもまず祈られ る者となるということなのです。 そして、祈られ続ける者は祈る者 とならざるを得ないのです。
 長老として立てられた人は、長 老会のメンバーとなります。長老 は一人で立つのではないのです。 このこともしっかり受け止めましょ う。長老は一人で神様の御業に仕 えるのではなくて、長老会のメン バーの一人として神様の御業にお 仕えするのです。ですから、長老 たちは互いに支え合い、補い合い、 仕え合います。この長老会こそ、 キリストの愛に基づく深い信頼で 結び合わされた交わりが形成され るところなのです。ですから、安 心して長老会のメンバーになって ください。そして、既に長老職に 就いている人は、新しい長老を愛 し、励まし、支えてください。
 長老は教会において任職されれ ば長老となります。しかし、教会 に託されているキリストの権能を 行使するという重大な職務を全う するためには、訓練を受けること が必要であることは言うまでもあ りません。そしてこの必要な訓練 は、信仰生活・教理の学び・実務 経験等多岐に亘りますので、これ を短日の内にクリアーするのは無 理なことです。長い時間をかけて 少しずつ訓練を受け続けていく、 自らに課題を課していく、という ことが大切でしょう。二〇〇九年 に新しく長老になった人のために 北陸連合長老会牧師会が発行した 『長老の職務』も参考にしていた だければ、と思います。
 長老会の一番大切な務めは、何 が神様の御心なのかを判断し、決 断することです。その際、教理の 筋道が曖昧にならないということが 前提であることは言うまでもありま せん。しかし、教会の実際の歩み においては、AでもBでもCでも教 理の筋道には問題ない、そのような 中でどれかを選ばなければならない ということが多いわけです。その際 に、それを担う人がいるかどうかと いう人的な側面、或いは経済的な 側面、牧会的な側面というものも 考慮しなければならないでしょう。 しかしもっと大切なことは、神様は この事によって私共に何を為さろう としているのかということを神様に 尋ねることです。この神様の御心を 問う中で、長老会は一つとされて いくものなのです。去年はこうした、 今までこうしてきた。それは無視し てはなりませんが、大切なのは今生 きて働いておられる神様の御心を問 うことであり、それを聞く謙遜さで あり、それに従う従順さであり、そ れを行う大胆さなのです。そして、 神様はそれを与える器としてあなた を選ばれたのです。


富山鹿島町教会 小堀 康彦


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