全国連合長老会がいままでどの
ような出版活動してきたかは、その
出版物そのものを見ていただければ
ご理解いただけると思うが、いずれ
も連合長老会の歴史と深く関わっ
ている。全国連合長老会が組織さ
れ、第一回会議が武蔵野教会で開
かれたのは一九七六年五月五日の
ことであった。この第一回会議に
先立つ三年前、すなわち一九七三
年、すでに活動がなされていた東部、
西部、東海の委員が集まり、小峰
書店から『長老主義教会への手引
き』が出版された。その「あとがき」
によれば、一九六六年当時の東京
伝道局に属する教職によって、教
会員のための手引きの草案が作ら
れ、一九六七年一二月『我々の教
会』が刊行された。その後「宣教」
に(一七七号から)その解説が連
載され、それが合わされて一九七
〇年一二月に『我々の教会と教会
員の生活』という題で刊行された
のが『長老主義教会への手引き』
の前身となったものである。
今手元にある『我々の教会』の
目次を見ると、我々の教会の綱領、
キリストの体なる教会、信仰告白、
礼拝、教職、長老、長老会、教会
総会、連合長老会、諸集会、長老
会教会の特質、欧米における長老
教会の歴史、日本における長老教
会の歴史、となっている。いずれ
も重要な主題を掲げ簡潔明瞭な記
述をもってポイントが語られてい
る。これらは失ってはならない歴
史的遺産である。それが継承され
て、現在改訂作業が進んでいるの
が『長老教会の手引き』である。
特に最初に五つの綱領が挙げられ
ている。一.教会の基礎。二.宗
教改革の神中心の信仰。三.宣教
の使命。四.主の体なる教会。五.
長老制度による教会形成。これら
の基本線を今日の歴史的状況の
中で、更に理解を深め発展させて
いく課題がある。そのために出版
活動がなされてきた。
全国連合長老会結成(一九七六
年)以降の出版物としては、『式
文』、教会双書シリーズとして、
『信仰・教会・教理』(熊野)、『信
仰告白』(上、永井、出村他共著)、
『キリスト論の発生』(竹森、山本)、
『二つの信仰告白に学ぶ』(関川)、
『教会の制度』(藤掛)。聖書講解
として、『旧約講解』T、U(宍
戸、福田)、『新約講解』T、U
(川村、宍戸)、『改革教会の教理』
(藤掛)、『改革教会信仰告白要覧』
(永井)、『日曜学校教師の手引き』。
伝道パンフレットシリーズの『人
間の罪』(菊間)、『聖書とは』(川
村)、『信仰とは』(藤原)、聖霊
(森田)、『教会生活』(椿)、『新し
い命』(森田)、十戒(三原)。福
音パンフレットの『死と永遠の命』
(井ノ川)、『日本人の宗教観とキ
リスト教』(藤原)。キリスト教入
門パンフレットの『礼拝』(馬場)、
『イエス・キリスト』(井ノ川)、
『神』(小野寺)、『聖霊』(田中)、
『洗礼』(青戸)、『神の国』(迫川)
『人間』(宍戸恵)、『教会生活』
(関川瑞恵)、その他に『葬儀』
(保科)、『子どものお祈り』(中島)、
『日曜学校ハンドブック』、『ベル
ギー信仰告白とドルト信仰基準』
(清野)、『カテキズム教案』(現在
18号)などがある。新年度になっ
てから出版されたものは、教会双
書の7として『温故知”真”―本
気で教会に生きる―』(弁鳥田將雄著、定価八百円)がある。これは長く本紙に連載されたもので、著者が開拓伝道の戦いの中で、いかに生きた信仰生活を確立していくか、厳しくも、真実の祝福に満ちた論述が繰り広げられている。
今後の展望としては、わたした
ちの教会の基本線を確立していく
ものは堅持しながら、更には連合
長老会の諸教会に忠実に仕えた多
くの長老、信徒たちの生きた姿と
いった生きた教会史に関わるもの
などの分野も検討していきたい。
何よりも「宣教」読者の応援を乞
う次第である。
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