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「主張」

※機関誌「宣教」(2014年11月号)「主張」欄より


 教区における地域連合長老会の課題−神奈川教区篇−


 日本基督教団神奈川教区は一九 六五年、東京教区から分離し、一 教区として新設された。それは教 憲第六条にあるように、日本基督 教団の「教会的機能および教務を 遂行するため」に置かれたもので ある。また、他の教区同様、この 神奈川教区も「教団所属教会の地 域的共同体であって、教区総会を もってその最高の政治機関とする」 ことに変わりはない。
 しかし、この教憲第六条の結び には「前々項の教会的機能および 教務は教区総会の決議ならびに教 憲および教規の定めるところにし たがって、教区総会議長がこれを 総括する」とある。これは教区総 会が多数決であることや、賛否同 数なら議長が決し得ることをも保 証していると理解できよう。だが、 神奈川教区においては、そこに弊 害が生まれてもいる。どういうこ とか。
 以下は比較的最近の例である。 神奈川教区内某教会の主任担任教 師が教団教師委員会の再三の問安 や指導を受けたにも拘らず、未受 洗者に配餐し続け、ついには免職 の戒規を受けた。だが、この教師 は横須賀市内の教会で「牧師就任 式」と称した集いを無許可で演出 し、今なお未受洗者配餐を行なっ ている。およそ改悛の情は認めら れない。のみならず「神奈川教区 オリエンテーション」の委員長に なることを許され、教区内新任教 師、按手・准允志願者、正・補教 師検定試験受験者、神学生を相手 に持論を展開させてもいる。ちな みに、その内容は横須賀の基地、 日雇い労働者が集まる寿地区、在 日外国人が多く居住している地域 を見学することがおもなカリキュ ラムである。そして教区総会議長 以下、教区常置委員会の推薦を得 て、件の彼氏は教区総会の正議員 に名を連ねているのである。
 筆者にはこれらが非教会的な暴 挙としか思えない。「教区総会の 決議ならびに、教区総会議長がこ れを総括する」ことを逆手に取っ ているのである。その意味では、 こんな事態を生み得る教憲の脆弱 性を指摘することも可能であろう。 だが、本当の問題の所在はそこで はなく、神奈川教区においては 「日本基督教団教憲教規」という 教会法を運用する実力や感覚が甚 だ未熟であること、その霊性その ものが欠落している点にあると言 わざるを得ない。
 東野尚志著『大森講座]X改革 教会における霊性―霊的共同体再 建のために―』(新教出版社、二 〇〇〇年)には、著者が一九八九 年春、横浜指路教会伝道師に就任 すべく、教団補教師の准允を受け る教区総会に臨んだものの、反対 多数で准允の執行が否決されたこ とが紹介されている。もちろん、 福音主義信仰を旗幟鮮明に述べた 結果であったので、著者自身には 一点の曇も無い。しかし、神奈川 教区においては、今後もこのよう な不測の事態が再び起こらないと も限らない。しかし、そのような 危機に対し、我々は余りにも不用 意に過ぎるのではないだろうか。 その「我々」とは誰か。現在、 神奈川教区には神奈川連合長老会 加盟一三教会、神奈川連合長老会 個人加盟教師の担任教会が二個、 その他に東海連合長老会加盟教会 が二個、そして東部連合長老会個 人加盟教師担任教会が一個ある。
 つまり、いわゆる”連合長老会の 教会”は今この教区に一八個あり (多少こそあれ)三つの地域連合 長老会が混在しているのである。 これらが神奈川教区に在って霊的 共同体を再建することは急務であ るが、現在の連合長老会には、准 允や按手を執行する権能は無い。 のみならず、これを教団や教区に 委譲する権限も無い。したがって、 教区で執行される准允や按手を自 分たちの准允、按手と受け止め、 教区が教会法に則って正しく教師 を立てるように努めること、これ こそが我々一八教会を初めとする 三地域連合長老会の共通の課題な のである。


横須賀小川町教会 寺田 信一


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