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「主張」

※機関誌「宣教」(2016年12月号)「主張」欄より


 「熊本大分地震を経験して」


まずは感謝を
 熊本大分地震では、発生直後から日本基督教団の多くの教会の皆様、とりわけ志を同じくする全国連合長老会、改革長老教会協議会の諸教会の皆様にはたくさんのお祈りとご支援、お励ましを頂きましたことを深く御礼申し上げます。 日々課題はありますが、不思議と平静さが保たれています。それは決して孤独ではないという安心です。共に歩む仲間、そして主がこの困難を共に歩まれている信仰が根底から私たちを支えています。

熊本地震の恐怖
 四月一四日の地震の後、まさかそれ以上の揺れが襲ってくるとは誰も予想しておりませんでした。 最初の地震が「前震」であり、二度目が「本震」であるという事実はまさに衝撃でした。そしてその後の度重なる「余震」はそこに暮らす人々を完全に打ちのめしました。熊本地震の恐怖は連続して起こる地震の恐怖です。四月一四日の最初の地震から一六日までの三日間で震度七が二回、震度六が五回、震度五が七回と立て続けに大きな揺れがありました。そして最新の気象庁の発表では一連の熊本地震は発生から半年で震度一以上の地震が四千回を超えています。このような異常事態が現在も続いています。地元の新聞社の社長は「大地の下に布田川・日奈久断層という厄介な『蠢(うごめ)き』 が眠っている」と書きました。「蠢き」。何という不気味な響きを持った言葉でしょうか。私たちはまたいつ動き出すかわからない厄介な蠢きの上に生活しているのです。そしてこのことは活断層が縦横無尽に走るこの国に生きる者たちは皆心に留めておくべきことです。

信仰を再認識するとき
 しかし、そのような繰り返し押し寄せる地震の恐怖の中で、私たちは改めて何が大切なものなのかを再認識させられております。私たちがこの世で確かだと思っていたもの、拠り所としていたものがいかに儚く、不確かなものであるか。そういうものが揺さぶられ、本当に大切なものだけが残るという経験がそこにあります。
 地震は多くのものを揺さぶり、 人間の本性、醜さをさらけ出させますが、一方で信仰をより純化させていくものでもあります。礼拝を守ることのできる喜び、互いに祈り合い、助け合うことの尊さを改めて知ります。そしてどんなに災害が襲うとも神が与えられた信仰だけは決して私たちから奪い取ることはできないということを体 験的に教えられるのです。

現在の状況
 現在、危険なものは撤去され、修理も少しずつ進んでおります。錦ヶ丘教会はこれから塔の再建やパイプオルガンの修理があります。そのような目に見えるものはやがて回復するでしょう。気がかりな のは教会員のことです。突然、住む場所を奪われ、慣れない土地に移られる方々がおられます。錦ヶ丘教会では熊本を離れ県外に移住された教会員が五名おります。そういう方々の礼拝の問題。家が壊れた方々、仮設住宅に移られた方々、高齢者の一人暮らしの方々が不安な日々を過ごされています。体を壊され入院される方々や施設に入られる方々が確実に増えています。さらに具体的なことを言えば、そういう様々な要因が重なり、教会の財政にも明らかに影響が出始めています。来年度は大幅な予算の見直しが迫られるでしょう。
 しかし教会はこれまでもこのような試練を通ってきました。教会の一一〇年の歴史の中では空襲もあり大水害もありました。その都度、教会は守られました。私たちはしばらくこの試練を耐えなければなりませんが、主のなさる御業を静かに仰ぐ時でありたいと思います。


錦ヶ丘教会 川島 直道


「主張」




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