1.情報伝達の多様化
コンピューターや携帯電話の発達により従来の出版の在り方に変化が起こっている。電子ブックである。かさばらずいつでもどこででも読める利点がある。本棚を探す手間暇がかからす、瞬時に読みに入ることができる。いずれ連合長老会の書籍もそのようになる時も来るであろう。楽しみである。
2.情報の質
膨大な情報が世に出回っている中で、逆に人々の不安が増大されることにもなりかねない。何が重要な情報であるかを識別する力が問われる。「人間の言い伝えにすぎない哲学、つまり、むなしいだまし事によって人のとりこにされないように気をつけなさい」(コロ二・8)と聖書は語る。
時代の風向きを知る情報と共に、わたしたちを真実の神へと導いていく羅針盤となる情報を発信するのが教会の使命である。教会はどんなに時代が進歩しても変わらない人間の罪の現実とその救済の情報を明らかにする。その根源は聖書にある。この聖書の情報を毎週聞く礼拝によって、わたしたちは不安定なこの世にあって魂の錨を与えられ不動の希望を獲得できる。「わたしはこう祈ります。 知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように」(フィリ一・9―10 )。
3.連合長老会の本
連合長老会の書籍は真偽の識別能力と真実の愛が養われることを願って出版されている。連合長老会は結成以来、一貫してキリストの救いとそれを伝える教会形成に資する書物を発行してきた。
@わたしたちの教会に関するもの
『長老教会の手引き』、『日本基督 教団教憲教規釈義』、『教会の制度』、『日本キリスト教史の小径』。
A信仰告白・教理に関するもの
『改革教会信仰告白要覧』、『信 徒のための改革教会の教理』、『ベルギー信仰告白とドルと信仰基準』、『信仰・教会・教理』、『信仰告白』、『キリスト論の発生』、『二つの信仰告白に学ぶ』、『1890年信仰の告白講解』、『1954年教団信仰告白講解』(二〇一七年)。
B聖書講解に関するもの
『旧約聖書講解』(T・U)、『新約聖書講解』(T・U)。
C教会生活に関するもの
『温故知真=x、『葬儀』
D教会学校、日曜学校教育に関するもの
『子どものお祈り』、『日曜学校ハンドブック』、『日曜学校教師の手引き』、『カテキズム教案』(年2回/現在二三号発行)。『明解カテキズム』、『続明解カテキズム』 E総合的シリーズもの
『伝道パンフレット』(1〜10)、 『キリスト教入門パンフレット』(1〜12)、『福音パンフレット』(1〜2)。
4.今後の展望
現在信仰職制委員会において検討されている「全国連合長老会 における教師、長老、執事に関する基本的見解」は今後既定の「洗礼、聖餐に関する基本的見解」に続くものとして決定されれば、徐々に連合長老会も制度面においても形が整うことになる。そのような制度面の出版も今後なされる予定。
またこの「宣教」紙上において新しく取り上げられる予定の各教会、各地域、各県における、キリスト者として生きた人物シリーズは、日本の教会の伝道の足跡を草の根的に記録し、隠れた人物を発掘し、全国にその名を留めることになり、日本の教会史を書き換えることにもなるであろう。また何よりもそのような記録は、各教会にとって、また全国連合長老会にとって、改革長老教会の信仰の遺産を自覚させることになる。教会史における正も負も踏まえて、「絶えず御言葉によって改革される」教会となっていく上で欠かせない企画であり出版の展望もある。
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