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※機関誌「宣教」(2017年9月号)「主張」欄より


 「三重連合長老会の課題 ―三十年の歩みを感謝して―」


 去る六月二五日(日)、三重連合長老会は第三〇回会議を行いました。津示路、鳥羽、松阪、山田の四教会。開会礼拝において、ちょうど三十年前(一九八七年六月一四日)に発足会議が開かれたことに触れ、主の導きによって今日に至らせていただいたと信じ感謝をささげました。出席議員の中には発足時から長老職を担っておられる方がおられます。地域連合長老会発足の趣旨が活かされる歩みを重ねることができているか。深く思い巡らしつつ会議に参加しておられたことと推察いたします。
【発足当時の課題】三重連合長老会発足のために尽力した方々のお一人、当時の松阪教会牧師でいらした鳥羽和雄先生が、本紙に「三重連合長老会の歩みと課題―カルヴァンに学びつつ―」を寄稿しておられますので(一九九〇年九月二十日号)紹介します。
 ルーツは冨山光一先生(山田教会)が中部教区議長であられた折(一九六五?一九七〇年)に遡ると論じられます。教区をプレスビテリーにしようと考えたが不可能と知り、教団縦割り論(教派・伝統の違いを互いに尊重する形で伝道グループを作る構想)を称えて、その可能性を探っておられました。教団がみるみる混乱していく時期でした。愛知・岐阜・三重で伝道協力を模索し主張に共鳴する者は少なからずあったようです。
 そんな中で一九八二年に三重で巡回長老会が行われ、地域連合長老会実現に向けて準備が始められたのでした。熱心にカルヴァンの著作が学ばれました。意識して取り組んだのはこの改革者が公同教会の信仰を大切にしたという点を受け止めることでした。
 カルヴァンは聖書が指し示す教会(エクレシア)をふさわしく建てるべく、教会制度を整えることに生涯をかけました。福音はキリストの体としての教会の交わりを必然的に引き起こします。各個教会はただ一つであるところの公同教会を信じる中でこそ健全な自主性を保ち、世俗化の力に抗うことができます。そこで重要になるのは正しい教理の擁護のために訓練された長老会の存在です。教理を守るために教師と信徒とが協働し、地域の教会が協働する。そのためにふさわしいあり方が聖霊の導きのもとに形作られていく。そう信じて粘り強い働きを続けました。
 そのような協力関係を日本基督教団・教区・地区(分区)で築くことができるのか。この切実な問題を共有し、実際に連合長老会結成へと導かれたのは四教会でした。同じ地域で伝道している仲間たちに謙虚に自分たちの信ずるところを訴えていこうとの志のもと、祈りをもって小さな歩みが始まったのでした(要約は渡部)。
【状況の変化】三十年を経た今、当時と事情が異なる点があります。教区・地区の交わりがそれなりに改善していることです。教区 三役・常置委員会に北陸連合長老会、三重連合長老会の教師・信徒も加わり、信仰告白、教憲・教規・緒規則を交わりの基本に据えて教会間の信頼関係を構築するために協力してまいりました。望ましい方向に作用したと判断されます。伝道と教会形成、礼拝の充実、役員会の充実…。我々が大切にしていることを教区・地区が大切にしています。幸いなことです。
【今後の課題】この地域で連合長老会を形成する必然性は見えにくくなったかもしれません。けれども日本基督教団の亀裂は深刻さを増しているように思われます。伝道は停滞。歴史が大きく動く気配がします。霊的な嵐が到来し大水が溢れ流れることでしょう。「倒れなかった」家かどうか。「この岩の上にわたしの教会を建てる」との御言葉に聞き従い、「キリストの体」を弁えて教会に委ねられた職務を忠実に果たしたかが明らかにされます。小さな交わりが公同教会の営みの一つとして用いられると信じ、着実に歩みを進めさせていただけるよう祈り願っています。


山田教会 渡部 和使


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