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「主張」

※機関誌「宣教」(2020年5月号)「主張」欄より


 「新たに長老に選ばれた人のために」


 昨年の夏期学校で小学校低学年の男児が作ったお祈りカードにこう記されていました。「かみさま、口をつくってくれてありがとうございます。口があるのでおいのりができます」と。祈ることができる恵みを感謝することはありますが、お祈りすることができる口を造ってくださって感謝します、と祈ったことはありませんでした。見慣れた風景、当たり前の日常生活の中の神さまのみ業に感動できることが少なくなっている私たちに、大切な気付きを与えてくれた彼に教会学校教師一同感謝しました。
 ほとんど横浜指路教会しか知らないので、他教会と比べようもないのですが、小さな子どもたちから信仰の大先輩まで、多くの兄弟姉妹と共に礼拝を守ることができることは、私にとって本当に豊かな恵みだと思います。
 今更ではありますが、私もこの題名の対象者ではないのかとも思いつつ、長老として神さまと教会に仕えてきたここ十数年のことを思い起こしてこの原稿を書き始めました。私は先輩長老から何を指導してもらったか。公私ともに信頼し、多くを学ばせていただいた女性長老のこと、闘病中の女性長老は、毎日、私のことを祈ってくださっているに違いないこと、多くの方の顔が思い出されました。折々の教会生活の中で、いかにたくさんの祈りに支えられていることかと思い、改めて感謝せざるを得ませんでした。教会によって、長老の奉仕の内容も違うかと思いますが、多くの恵みを頂くことができるのは長老の特権だと思います。祈りに支えられ、私のような器をも主に用いられていることに驚き、主なる神さまと教会に仕えています。
 ここで以前書いた文章を引用させていただきます。季刊『教会』の「本の道しるべ」に『長老のつとめ』という書物をお勧めする文章を書きました。その時に、その書で勧められていたことは、み言葉に親しみ、牧師をよく補佐する、ということでした。このことに尽きると思うのですが、では、具体的にどうするのかというと、このようなことでした。「自分自身の信仰に留意すること、日々御言葉を読むこと、そして、牧師をお支えすること。牧師と長老の間に常に親しい温かな信頼関係が必要である。そして長老としてのつとめを主の日を中心に、家庭や仕事、教会員との交わりにおいてどのように果たすべきかを聖書の言葉を引用しながら説いていく。キリスト者としての日常を、大それたことはできなくても、小さなことならばたくさんできるのだからと、その実りの豊かさを長老の特権として証しするのである。『主がお入りようなのです』、『この人はできる限りのことをした』。キリスト者一人ひとりが、些細なことでもキリストのために何かをすれば、教会に、この世界にどれほどまでに変化が生じることかと、長老のつとめに心から励むことを勧めるのである」。
 口をつくってくださってありがとうございます、と祈る子どもを見習い、私を創ってくださって、ありがとうございます、主に仕え、教会に仕え神さまにもちいていただくことができます、と祈ることができる「長老」になりたいと願ってやみません。
 新たに長老に選ばれた人のために、という題名の「新たに」というのは、時を基準にしているのではないでしょう、とこの原稿に頭を悩ませている私に示唆してくださった教会の姉妹がいました。小さな子どもから多くの兄弟姉妹まで、ともに主にある方々との豊かな交わりはかけがえのない賜物です。み言葉によって日々新たにされ、主のみ旨に従って、救いの恵みに与った者として感謝しつつ、主イエスを首とする教会の一枝として、教会生活を生き生きと笑顔で喜んで送ってください。これが私の「新たに長老に選ばれた人のために」贈りたい言葉です。

横浜指路教会 松森 しおり






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