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※機関誌「宣教」(2021年1月号)「主張」欄より


 東海連合長老会における伝道協力


 東海連合長老会(以下、東海)は規約第一〇条に「次の事業を計画遂行する」として以下の三つの項目を挙げている。@牧師・長老・執事・日曜(教会)学校教師などを長老教会に相応しく訓練するための定期修養会の開催及び文書の発行、A講壇交換による教会間の連帯、B伝道協力。筆者はBに掲げられている伝道協力は、@Aに掲げられている事柄と不可分の関係だと理解している。つまり、長老教会としての訓練の場である修養会、文書、講壇交換等は、東海に連なる諸教会間の伝道協力の業だということである。
 二〇二〇年度は例年通りに活動することがかなわない中、オンライン上での会議と牧師会によって実施することを決めたものがある。それは、長老執事修養会に代わるものと、教会記録審査である。牧師(教師)、長老、執事の働きについて継続的に学び、東海全体としてもそのことの共通認識を深める営みが、各個教会の伝道の業に益していることを信じる。近年の長老執事修養会では『連合長老会編式文』から、長老任職式の式辞の文言を取り上げ、丁寧に研鑽を積んできた。一教会だけでそれを行うのではなく、東海全体で教会訓練を為すことができるのは連合長老会に連なる大きな恵みである。また、教会記録審査も、各個教会の現状を共有するための一助として今年度すでに実施した。伝道即教会形成、教会形成即伝道、と教えられてきたが、各個教会の伝道の業に仕えるための教会記録審査であることを改めて思う。
 これらの事業を継続する中で加盟教会の信頼関係を深めてきた。そして現在では具体的な伝道支援が展開されている。二〇一九年度より三年間、焼津教会への牧師謝儀支援を行うことが会議で決議された。このことが意味するのは、支援期間中、東海は焼津教会の伝道のために特に祈り、教会形成のために力を注ぐ、ということである。全国連合長老会から経常活動援助を受けながらの方策であるが、将来的には東海自身で資金を確保し、必要に応じて各個教会の伝道支援ができるように備えたいと願っている。
 課題は多い。地理的に広範囲に亘っている現状で、集会を数多く開催することはできない。教区、地区に対する姿勢も、各個教会、地域によって異なるので、それぞれに置かれた状況を理解し合う努力が必要となる。
 また、東海全体の礼拝出席者数は一〇年前と比べて約七割になった。牧師や長老の顔ぶれも年々代わっている。一九七二年の設立当初の様子を知る者はほとんといない。そのような中で、会議、修養会等を毎年積み重ねつつ、信仰告白の学び、長老教会に対する共通認識をますます深めていかなければならない。そのためにも、常置委員会に代わる機能を果たす牧師会が重要となる。牧師がそこでみ言葉の養いを得、健全な相互牧会がなされることで伝道協力の業が進められていくのではないか。
 前議長がこのように語られたことがある。「私には一つの、途方もない様な夢があります。それは、東海連合長老会の諸教会の祈りが一つになって、伝道所が開設され、あるいは、教会が建設されるという、夢です」。これは設立当初からの願いでもある。規約の中で東海が取り扱う事項として、最初に「伝道所の開設と教会の建設」と謳われている。開拓伝道を考える時に、主体となるのはもちろん各個教会であるが、筆者なりに言えば第二の母体として東海が存在する、ということである。ここでこそ、良き指導と感化を得て教会が立っていく、そのことのために備えておく喜びを忘れずに持っていたい。「幻がなければ民はちりぢりになる」(箴二九・18/聖書協会共同訳)。幻をもって一つになる。同じ信仰告白を重んじ、教会制度の共通理解に立つ私たちであってこそ言い得ることである。

浜北教会 大橋 新






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