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※機関誌「宣教」(2022年7月号)「主張」欄より


 改革長老教会協議会と連合長老会


 日本基督教団改革長老教会協議会は、一九八五年四月二九日、鎌倉雪ノ下教会の新会堂で行われた第一回全国協議会をもって出発した。一〇九教会三四五名の教師、長老、執事の出席があり、「基本線」を承認した。「基本信条(殊にニカイア・コンスタンティノポリス信条)が告白している信仰を規範とし、改革長老教会の伝統に立って日本基督教会が一八九〇年に制定した信仰の告白を失うべからざる信仰の遺産として継承し、日本基督教団信仰告白を承認して教会を形成する」。改革長老教会協議会は、元々は全国連合長老会会議での決議によって始まった運動体である。各地に信仰告白の一致に基づく伝道協力組織が結成され、それが連合長老会という組織体に成長することを願っていた。連合長老会と改革長老教会協議会は、同じ志に立つ同心円の関係にある。実際、協議会運動が呼び水となって、三重、北陸、和歌山、神奈川、九州、東日本連合長老会が誕生した。発足以来、三七年が経過し、その歩みを振り返る時、豊かな実りが与えられたことに感謝する。
 しかし尚、各地で協議会運動に留まり、その協議会運動も停滞し、地域長老会が形成されない地域もある。これまで協議会運動を担って来た伝道者が転任、隠退され、その志が受け継がれていない地域もある。改革長老教会協議会が誕生した背景には、日本基督教団の危機的状況と共に、日本伝道の危機的状況があった。閉塞状況に陥った日本伝道に、風穴を開けて新たな歩みを切り拓きたいという祈りがあった。教団、日本伝道の状況は厳しさを増している。更に、この二年間は新型コロナウイルス感染症の拡大により、集まって研修会を行うことができない状況にある。各個教会、伝道者が孤立しないためにも、信仰告白の一致に基づく伝道協力組織は不可欠である。この二年間、コロナのため全国協議会、全国牧師会、教会研究所神学研究会は休止となった。しかし、各地域の教会形成、伝道、教職人事は休止することはできない。改革長老教会協議会は何よりも、各地域の協議会運動を支えるものである。
 コロナ禍にあって、リモートで青年交流会「黙想と祈りの会」が金曜日の夜に定期的に開催された。交わりが持てなかった青年にとって、御言葉の黙想と祈りによる交わりが大きな励ましとなった。全国連合長老会主催の宣教協議会もリモートで行われた。主題「教義学における熊野神学との対話?キリスト論・教会論・終末論を巡って」、講師・近藤勝彦教師。一〇三名の出席者があり、充実した研修会となった。改革長老教会協議会に属する牧師も多く出席された。コロナ禍での新たな研修会の道を示すこととなった。季刊『教会』は定期的に刊行されており、一二一号は「新型コロナウイルスの対応と課題」を特集として、各地域の改革長老教会協議会と連合長老会の取り組みが紹介された。広報の使命の重要性が認識された。
 各地域、各個教会より後任人事の依頼が何件もあった。後任人事は改革長老教会協議会の基本線を受け継ぐ上で重要である。全国連合長老会、東京神学大学と連絡を取りつつ後任者を推薦しているが、伝道者不足を痛感している。粘り強く祈り求めている。
 改革長老教会協議会が発足してから三七年。今後どのような歩みをすべきかが問われている。新たな段階を迎えている。一方で、全国連合長老会、各地域の連合長老会が教会形成の内実を固めて行くと共に、それが活力を失った閉鎖的な交わりに陥らないためにも、他方で、連合長老会の裾野を日本の各地域に広げて行く努力を惜しんではならない。そこに改革長老教会協議会の役割があると言える。
 改革長老教会協議会を生み出した連合長老会が、今後、協議会運動をどのように展開して行くのかが問われている。

金沢教会牧師 井ノ川 勝






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