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「主張」

※機関誌「宣教」(2013年10月号)「主張」欄より


 長老の研鑽について


 長老の務めの第一は、良き礼拝 者になることです。御言葉を語る 牧師が説教の準備に十分な時を与 えられるように祈ること、毎週の礼 拝の中心に主イエス・キリストが立 たれて、礼拝者ひとりひとりを聖霊 で満たしてくださるように祈り求め ることです。そして礼拝で語られる 御言葉に押し出されて一週を過ご す幸いを感謝しつつ、与えられた課 題をひとつひとつ果たせるよう祈る ものでありたいと思います。
 初代教会が聖霊に満たされて伝 道する有様を記した使徒言行録第 一三章二節に「彼らが主を礼拝し、 断食していると、聖霊が告げた。 『さあ、バルナバとサウロをわたしの ために選び出しなさい。わたしが前 もって二人に決めておいた仕事に当 たらせるために。』そこで彼らは断 食して祈り、二人の上に手を置い て出発させた」とあります。
 シリアのアンティオキアの教会か ら祈りを持って伝道へと派遣された サウロ(後のパウロ)は、三度の 伝道旅行を行い、当時の地中海世 界にいくつもの教会を生み出しまし た。
 わたしたち日本の教会も一五〇 年ほど前に、主にアメリカの教会の 祈りによって宣教師が派遣され生 み出されました。礼拝共同体であ る教会の祈りによって伝道され教 会は誕生します。ひとりひとりのク リスチャンの信仰はこのような教会 の礼拝での聖霊の導きにより、祈 りによって神様から与えられます。 長老はそのような教会の祈りによっ て神様から選ばれたものとしての務 めを果たします。
 ですから、長老の研鑽は良き礼 拝者であり、祈ることなのです。聖 書は、最初から教会を生み出した と証言しています。主イエス・キリ ストの体である教会を生み出し、 成長させるのが教師・長老の務め です。日本の教会は個人の信仰を 重んじる傾向にあります。しかし、 二千年この方教会は一貫して信仰 共同体である教会の信仰を伝えて きたのです。基本信条にある公の 信仰を継承することが教会の、従っ て長老の、第2の務めです。
 連合長老会日曜学校委員会では、 二〇〇五年に『子どもと共に学ぶ 明解カテキズム』(キリスト新聞社) を編集しました。また、翌年からカ テキズム教案を作成し、今年で八 年目になります。
 当初は、教案を作成する牧師・ 教師も、それを使用する日曜学校 教師も手探りでした。日曜学校の 校長をしておりますわたしも(学生 の頃から日曜学校で奉仕してまい りましたが)長年の望みがかない、 喜ばしいと思う反面、教案を使用 して説教の準備をいたしますと、与 えられた聖書箇所と教理の箇所と をどのように調和させて子供たちに 語るのか迷いました。
 ところが、使い続けているうちに 気づいたのです。教会で大切にし、 継承してきた使徒信条・十戒・主 の祈りを学び続けることは、生きた 信仰そのものであること。それが礼 拝でともに学ばれ、説教で語られる 時、聖霊が導いて下さり、礼拝す る子供達ひとりひとりに信仰を言い 表すようにうながしておいでになる ことを。もちろん日曜学校の教師 たちにも聖霊ははたらいて豊かな霊 の賜物をくださいます。
 わたしたちが礼拝で牧師から説 教を聞く時、聖霊の働きによって ひとりひとりに、その週に必要な命 の御言葉与えられます。そのことを 知らされて、わたしたちは心から神 様を賛美し礼拝を捧げます。そし て、主から促されます。伝道へと 派遣されるのです。わたしたちはひ とりで伝道するのではありません。 教会の祈りに支えられて派遣される のです。
 長老の祈りは、個人的な祈りか ら所属する各個教会のための祈り、 更に地域連合長老会のために、そ こに所属する同労の諸教会・長老・ 教会員のために、そして全国連合 長老会に所属する同労の諸教会・ 長老・教会員のために祈ります。 世界中に主の教会が生み出され豊 かに成長するよう祈ります。


十貫坂教会長老 石田 篤


「主張」

■バックナンバー

2012年10月号「教会形成の一環としての連合長老会の出版活動」/十貫坂教会 関川 泰寛
2012年9月号「日本基督教団と連合長老会」/横浜指路教会 藤掛 順一
2012年8月号「改革長老教会協議会の今」/自由が丘教会 阿部 祐治
2012年7月号「牧師の人事について」/錦ヶ丘教会 川島 直道
2012年6月号「中高生修養会の恵み」/服部 修
2012年5月号「青少年伝道の課題」/日本橋教会 宍戸 基男
2012年4月号「「全国連合長老会式文」改訂について」/富山鹿島町教会 小堀 康彦
2012年3月号「被災地を歩まれるキリスト、そして被災地に立つ教会」/仙台広瀬河畔教会 望月 修
2012年2月号「全国連合長老会 伝道局資金を用いての伝道協力の会計」/小田原十字町教会 馬場康夫
2012年1月号「全国連合長老会の課題」/横浜指路教会 藤掛順一
2011年12月号「全国連合長老会の会計」/小田原十字町教会長老 露木賢一
・2011年11月号は「主張」がお休みです
2011年10月号「北陸連合長老会の課題」/富山鹿島町教会 小堀康彦
2011年9月号「東京神学大学と連合長老会」/横浜指路教会長老 數井紀彦
2011年8月号「協同して献金活動を」/自由が丘教会 阿部祐治
2011年7月号「東海連合長老会の課題」/富士教会 桑原睦彦
2011年6月号「中学生・高校生修養会の恵み」/小松教会 松島保真
2011年5月号「献身について」/日本橋教会 宍戸基男
2011年4月号「西部連合長老会の課題」/浜寺教会 松原 望
2011年3月号「青年伝道」/錦ヶ丘教会 川島直道
2011年2月号「『全国連合長老会規約の解説』改正案を巡って」/山田教会 井ノ川勝
2011年1月号「神奈川連合長老会の現状と課題」/小田原十字町教会 馬場康夫
2010年12月号「長老と執事」/富山鹿島町教会 小堀康彦
2010年11月号「東日本連合長老会の課題」/自由が丘教会 阿部祐治
2010年10月号「教会規則について」/日本橋教会 宍戸基男
2010年9月号「和歌山連合長老会の課題」/粉河教会 田中牧人
2010年8月号「献身の勧め」/須磨月見山教会 上原智加子
2010年7月号「九州連合長老会の課題」/錦ヶ丘教会 川島直道
2010年6月号「中学生・高校生修養会の恵み−宝としての修養会−」/駿府教会 瀬谷寛
2010年5月号「インターネットの伝道について」/十貫坂教会 長老 石田篤
2010年4月号「東部連合長老会の課題」/小金教会 今泉 幹夫
2010年3月号「牧師招聘の手続き」/小田原十字町教会 馬場 康夫
2010年2月号「三重連合長老会の課題」/山田教会 井ノ川 勝
2010年1月号「『宣教』の使命」/藤沢北教会 藤盛 勇紀
2009年12月号「日本伝道150年と連合長老会」/横浜指路教会 藤掛 順一
2009年11月号「主の血潮に感謝して献げる」/小田原十字町教会 馬場 康夫
2009年10月号「教会とキリスト教学校の連携」/青山学院大学宗教主任・荻窪清水教会担任教師 砂 民宣
2009年9月号「地域連合長老会における伝道協力について」/小田原十字町教会 露木 賢一
2009年8月号「連合長老会の出版活動 ―その意義と課題」/出版委員会 関川 泰寛
2009年7月号「『続 明解カテキズム』について 健やかな教会を形成するために」/藤枝教会 青戸 宏史
2009年6月号「中学生・高校生修養会の恵み」/神戸神愛教会 高多 新
2009年5月号「改革長老教会協議会の活動について」/自由が丘教会 阿部祐治
2009年4月号「一八九〇年信仰の告白に基づいて」/日本橋教会 宍戸基男
2009年3月号「主の日の礼拝の指針について」/鎌倉雪ノ下教会牧師 東野尚志
2009年2月号「日本基督教団の今後」/横浜指路教会牧師 藤掛順一
2009年1月号「能登半島地震復興活動状況について」/富山鹿島町教会牧師 小堀康彦
2008年12月号「教会記録審査について」/藤枝教会牧師 青戸宏史
2008年11月号「牧師会について」/日本橋教会牧師 宍戸基男
2008年10月号「東京神学大学と連合長老会」/鎌倉雪ノ下教会長老 望月 克仁
2008年9月号「地域連合長老会形成の課題」/富山鹿島町教会牧師 小堀康彦
2008年8月号「献身について」/錦ヶ丘教会牧師 川島直道
2008年7月号「聖餐の乱れについて」/鎌倉雪ノ下教会牧師 東野尚志
2008年6月号「青年伝道」/自由が丘教会牧師 阿部祐治
2008年5月号「中高生修養会の恵み」/横浜指路教会長老 松森しおり
2008年4月号「キリスト教学校は教会の子ども」/北陸学院中学高等学校校長 堀岡啓信
2008年3月号「規約第二条を巡って」/山田教会牧師 井ノ川 勝
2008年2月号「カテキズム教案の用い方」/小田原十字町教会牧師 馬場康夫
2008年1月号『長老教会の手引き』改訂について/横浜指路教会牧師 藤掛順一


「宣教」

■発行日: 毎月1日

■発行所(新規申込み・講読数変更): 神戸神愛教会
 〒654-0065 神戸市須磨区離宮前町 1-6-29
 TEL & FAX : 078-735-6142




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